孔雀洞雑貨舗



目に滲みる 色彩


砂に描かれた模様
街角のフェンス
土瀝青
ブロック塀







・・・


色彩の源 を 黒い小箱に封じる


壁に並んだ ワスレモノ
外観からは本来の色を知る事は出来ない


乾式万華鏡と並列に並べられた標本箱
壁に貼られた標本箱の主題は全て《O》。
架空の人物、《O》を第三者の主観で捕らえた、記憶の断片 の標本たち。


液式万華鏡の展示。
試験管の中にも《O》は潜み、求められるまま、旅立って行きました。

この白い棚はこの展示用に孔雀洞が設置。
壁面への直貼りも木螺子の使用も禁止される展示会場が多い中、Roofサンは展示する側の要望を大らかに快諾して下さいました。

標本箱 《Oの欠片》
副題は 『羽根一枚分の、』 でしたが表記しませんでした。
鴨の羽 と バーナーワークで制作した硝子細工を使用。
硝子は無色から淡青色を経て群青色への色勾配がついています。

この作品のみ、オブジェクトに触れられるように封をしませんでした。


標本箱 《一滴の試料》
こちらも《O》をモチーフにした標本箱ですが、タイトルには表記しませんでした。
雫型の硝子はバーナーワークで制作。底辺のほんの一点のみ、空色を含ませました。下の硝子瓶は昭和初期の目薬用硝子瓶。ここに細い硝子管を差し込み、一滴分の液体を管に含ませて点眼したそうです。

画像では分かり難いですが箱の口は無色硝子で閉じてあります。

試料は英語で謂うSampleのこと。


試験的に制作・展示した 《枕燈》
純粋に硝子に反射する光と蝋燭の明かりに近い光量を再現したくて制作しました。
暗闇の中で書物を読むには無理な明かりだけれど、ぼんやりを周囲の輪郭を確かめる程度には充分な光量です。

自分用に制作した試作第一号は自宅の浴室で使用中。

《Oの居た記憶》
標本箱 《Oの居た記憶A》
《第三者の主観の中のO》と《試料の中のO》と謂うふたつのテーマで制作した標本箱。
このテーマは少しずつ昇華させて今後も形にしていきたいと思いました。
使用した極小の試験管は某製薬メーカー勤務のA嬢が数年前の誕生祝いに贈ってくれた品。銀の鎖は輪の形が変わっているので気に入って入手した純銀製。ラインストーンは全て1960〜80年代前半のスワロフスキー製。

画像にカーソルを乗せると画像が切り替わります。

《Oの居た記憶B》
標本箱 《Oの居た記憶B》

《O自身の主観の中のO》をテーマに制作した標本箱。
鏡って客観の象徴のように見えて、主観しか映らない道具だと思いませんか、
素材は1960年代に日本から海外へ輸出されたと謂う硝子のアクセサリィ・パァツ、60〜80年代前半のスワロフスキー・ラインストーン、年代不詳の麻レェスを使用。ほんの少しだけ、ハムレットの中の《O嬢》を意識してしまいました。

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《Oの居た記憶@》
標本箱 《Oの居た記憶@》

《O》をモチーフにして最初に制作した標本箱。
未だ自分の作りたいモチーフが混沌としていて、ずっと引き摺っている《蜜蜂》と《O》が入り混じったまま形になってしまう、
《O》は大部分の場合女性であるけれど、男性の場合もあり、幼子の場合も、老女の場合もあるし、小禽や猫等の小動物の場合もある、孔雀洞が勝手な法則で結んだ《御伽噺の中の誰か》。
ひとつの作品として形にすることは出来ないので、ゆっくり時間を掛けて、彼女を彼を表せれば。

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標本箱 《スミレ色のカーテンがのぼりはじめた太陽を紫色に彩っていた》

自分の中に《O》を持つ以前の作品です。
今回の展示のために部分的に手を入れました。

タイトル通り、モチーフは《O嬢の物語》。
小箱は木枠の窓で封をしています。右の蝶番は骨董市で入手した目覚まし時計用の蝶番。箱の中に使用した素材は同じく骨董市でもとめた和箪笥の鍵、1970年代・イギリス製の綿か麻のトリム、螢石数個、剣状アメジスト。